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風土木の家セミナー第63 回

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三方よしの経営

2010年 あけましておめでとうございます
  三方よしの経営
先日の日米首脳会議で、鳩山首相はオバマ大統領に対し、普天間問題に関して「私を信用してください」といったそうです。それに対して、オバマ大統領は[O,K]と答えました。さて、鳩山首相はどんな答えを出すでしょうか?
 私は以前、懇意の商社の展示会でいろんなものを、担当営業マンにお任せして買ったことがあります。結果は安かったのか、ぼられたのか確認していませんが、こちらの気持ちは十分に伝えてお願いしたのですから、悪いようにはしないだろうと思っていました。私は甘いでしょうか?お人好しなのでしょうか? 相手は私の期待に応えてくれると思いますか?
 私の経営の根本には意気という考え方があります。「私を必要としている人に対しては、何とかしてやろう。私の努力が先方に喜ばれるなら、少々無理をしたって構わない。」と思っています。しかし世の中は善人ばかりではありません。私の心象に付け込んで、詐欺まがいのこともありました。ただ利用されただけのこともありました。世間知らずであったと言ってしまえばそれまでですが、随分情けない思いをして参りました。それでも、やっぱり自分の生き方を変えることは出来ません。私を信じて、私を頼ってくる人に対して、精一杯のことをして差し上げて、感謝されたときの喜びは何物にも変えがたいものがあります。
 意気とか気概という言葉は、現代ではもう死語かもしれません。「意気に感ずる。」という表現を以前は、よく使いました。論語に「義を見てせざるは勇無きなり。」という一文があります。当世流には、お節介又は不審者になるのだろうと思いますが、他人のために尽くすとか、人の善意に支えられていると言った社会が、決して悪かろうはずが無いと思います。今では心意気とか生意気という程度の言葉でしか残っていませんが、相手のために、多少の自己犠牲をしてでも人に尽くすという考え方が「買い手よし」であろうと思います。
 欧米型契約社会になりつつある世知辛い世の中では、ビジネスはあくまでシビアーでなければならないのかもしれません。「貧すれば、貪する」の例えもあるように、人間はおうおうにして困窮すると心ならずも、寛容な人には甘えてしまう傾向にあります。その結果、人の好い人間がカモられたり、騙されたりすることがあります。「人を見たら泥棒と思え。」と古人も忠告しておりますが、そういう意味では、私の考えはかなりリスキーなものであると言えます。欧米では自己責任という言葉をよく使います。自らの生命・財産は自分で守るのが当然のことになっています。防衛に対する考え方を見ても分かるように、誠に自立した強い個人主義が発達した社会です。社会秩序を守る基本理念はジャステス・正義であります。それにひきかえわが国は儒教的倫理観によって社会秩序が保たれていました。戦後、敗戦国日本に形だけの個人主義が導入されましたが、当然大変な混乱となりました。簡単に言えば、人付き合いの発想が異なる文化をすげ替えようとしたことに無理があったわけです。いまだに消化不良を起こしている日本人は、グローバル化という現実の中で引き返すこともできず社会規範を喪失しております。
人が生きていく上で、業を営むということは必要欠くべからざる事です。そのときの行動規範と言うか倫理というべきものは何をもって基準とするのかが問題です。厳密な契約なのか、信頼や信用なのか。近江商人の言う「売り手よし」と考えている根本には、「情けは人のためならず」の言葉にあるように、人のために尽くした奉仕はいずれ自分に帰ってくるという考え方であろうと思います。そのためには、決して暴利をむさぼってはいけないし、足元を見た商いなどをすべきではないと戒めております。適正な利益と徹底したコストダウンの努力こそが近江商人の真骨頂でした。採算を考えない放漫経営やえげつない悪徳商法は決して「売り手よし」ではありません。
生産を伴わない営利活動を悪とみなされていた近世日本において、商人の社会的地位を確立したのは近江商人であります。しかしその道は決して平坦ではありませんでした。自らを厳しい商業倫理で律し、ひたすら精進した結果であります。このことは近江商人の家訓によってうかがい知ることができますが、その代表的なものとして、中村治兵衛家の家訓の「三方よし」があります。「売り手よし、買い手よし、世間によし」とは、取引が当事者だけではなく世間の為にもなるもので無ければならないことを言っております。今で言う社会貢献であります。
この考え方を今日では当たり前のように言っていますが、実は真の意味で理解されていないのではないかと考えます。社会貢献をボランティアーや慈善事業のように考えている人が少なからずいる様に思います。社会奉仕はもともと鉄鋼王カーネギのように有り余る資産を世の中のために使ってほしいという発想であって、ここでいう社会貢献とは職業や仕事を通じて社会の発展に寄与することなのです。生きるためでも、豊かな暮らしを実現するためでも、金儲けをするためでも自分の仕事を一生懸命することが社会の発展に役立つのだという考え方であります。それなら何をしてもいいのかというと、そうではなく社会悪となる仕事(例えば泥棒)は当然認められません。私達が仕事をすることによって森林が蘇る地産地消は十分な社会貢献です。私達が目差している地域材を使い、伝統技術を継承し、住まい手の夢を形にし、健康を守り、自然の恵みを生かす取り組みは社会の発展や地域の活性化につながるという理念の基に活動しています。これこそが「世間によし」ではないでしょうか。
私達の会は決してボランティアー団体でも行政の下請けでもありません。近江の先人に学び、生業のかたわら少しでも社会の為に尽くしたい気持ちがあるという事です。理念なくしては生きていく資格がありませんが、理念だけでは生きていくことが出来ません。人間の欲望には際限がありませんが、欲なくしての議論は空論です。売り手と買い手の欲するところと社会から期待されているところを正しく理解し、たくましく前進しなければならないのではないだろうか。
                  (川副 宇八)

本年も「風土木の家」よろしくお願いします
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森とつながる 『風土木の家住宅展』

日時 11月28日(土)午前11時から午後5時まで
29日(日)午前 9時から午後4時まで
会場 八日市文化芸術会館 1階・展示室
(滋賀県東近江市青葉町1番50号)
無料駐車場有り 予約不要 入場無料
長期優良住宅先導的モデル事業(平成21年度第2回)に、国交省住宅局より採択されました。

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東近江市農林水産まつりに来てください

来る11月1日 「東近江市農林水産まつり」が開催されます。風土木の家では毎年、この行事に参加しています。「地域材でケルンをつくりましょう」というテントです。松 檜 杉 の角棒をくみ上げていく遊びです。3メートルちかくまで積むひともいます。一度、見においでください。場所は市役所の駐車場です。時間は午前9時から午後2時までです。地産地消の取り組みですのでたくさんのおいしいものからお値打ちなものまで色々あります。ぜひ 声をかけてください。
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